【要約】
この記事では、宗澤政宏氏が運営に携わっている日本写真映像専門学校の卒業生の活躍をご紹介しています。
【はじめに】
宗澤政宏氏が運営に携わっている日本写真映像専門学校は、長年にわたって写真界に数多くの優秀な人材を輩出してきたことで知られています。
今回も、過去の記事に引き続いて、そんな日本写真映像専門学校の卒業生のなかからピックアップして、その方の活躍をご紹介していきます。今回ご紹介するのは、浅田政志さんです。
【ふたりのカップル写真は、浅田さんの家族写真のなかでも異質の仕上がりだった】
チャップリン好きなカップルを撮影した浅田さん。しかし、このカップルは熱い、恋愛している…と浅田さんは感じていました。二人が互いを思いやる姿に、うらやましさを感じたといいます。年上の彼女を頑張って引っ張ろうとする年下の彼の姿もカッコよく、それに感謝して彼に尽くす年上の彼女、ふたりで幸せになろうとする姿が素敵だったと振り返ります。浅田さんがこれまで撮影してきた家族写真のなかでも異質というか、美しい写真になりました。
実は撮影後、「こんな天候のなかで押し切って撮影をした以上、ふたりが風邪をひいたら自分の責任だな…」と思ったそうですが、写真を見た二人が「すごく寒くて雨だし、撮影を辞めようかと思ったのですが、逆に雨でよかった」と言ってくれたことに、ほっと胸を撫でおろしたといいます。
【老人ホームで暮らすおばあちゃんと家族写真を撮る依頼があった】
90歳を超えるつゆこさんというおばあちゃんがいました。認知症が進んで老人ホームにいるのですが、家族みんなで写真を撮りたい…という依頼があったのです。
一緒に撮影する家族は総勢19人。4世代にわたる家族構成でした。
つゆこさんの長女夫妻は定年退職をしていて、老人ホームで暮らすつゆこさんのもとへ毎日通っているということで、浅田さんもそこに同行しました。普通、家庭内での介護が厳しいから老人ホームに預ける、という形が多いので、毎日顔を出すなんて珍しいな、と浅田さんは思いました。
長女夫妻は朝から行ってご飯を食べさせ、トイレに行って…という介護をほとんど毎日おこなってきました。お昼ご飯のあとには、入所者のみなさんで歌をうたったりするのですが、夫妻はお母さんの介護だけでなく入所者の皆さんとも積極的に交流を図っていました。
その様子を見た浅田さんは、家族全員で介護をしている写真を撮りたい、と思いました。名付けて「つゆこ苑」を作ることにしたのです。
【おばあちゃんとひ孫のやり取りを写真に収めた】
つゆこさんはほとんど目があかず、たまに喋るかな…という状態ではありましたが、ひ孫が来ると一番喜ぶということでした。そこで浅田さんは、小さな子供たちはもちろん、みんなでおそろいの介護服を着てもらうことにしました。
ひ孫といってもその年齢の幅は2歳~小学生までありました。しかし大人が「せーの」と言うと、みんなで声をそろえて「おばあちゃん!」と叫ぶ。それを聞いたおばあちゃんはニコリと反応する…。浅田さんはそんなやり取りの様子を写真に収めました。
【介護に責任を持つ夫妻の姿に胸を打たれた】
浅田さんは長女夫妻にとても感動しました。お母さんの世話がふたりの生きがいになっており、最期も他人ではなくわたしたちが看取るんだ、という気持ちを感じたといいます。
いまのご時世、なかなかそこまで強い気持ちを持った家族は多くは無く、デイケアに来てもらったり、老人ホームに任せてしまったりと、家族バラバラに住んでいることも少なくありません。そんななかで、介護を生きがいにしている人たちを浅田さんは初めて目にしたといいます。介護の在り方を考え直したと同時に、ふたりの姿に強く胸を打たれたといいます。
【さいごに】
宗澤政宏氏と日本写真映像専門学校は、これからも浅田さんのような写真家を輩出し続けることでしょう。