【要約】
この記事では、宗澤政宏氏が運営に携わっている日本写真映像専門学校の卒業生の活躍をご紹介しています。
【はじめに】
宗澤政宏氏が運営に携わっている日本写真映像専門学校は、長年にわたって写真界に数多くの優秀な人材を輩出してきたことで知られています。
今回も、過去の記事に引き続いて、そんな日本写真映像専門学校の卒業生のなかからピックアップして、その方の活躍をご紹介していきます。今回ご紹介するのは、浅田政志さんです。
【幼馴染と一緒に仕事をした浅田さん】
三重県津市の国号23号沿いには「刀根菓子館」というお菓子屋さんがあります。創業100年を超える老舗のお店なので、三重県に住んでいる方であれば知っている方も多いのではないでしょうか。そのお店の跡取りと浅田さんは、中学校の同級生でした。お互い地元を離れた時期はあったものの、現在でも三重県に帰ると再開する一番の親友だそうです。
お二人が中学生だったときは、休み時間に自転車でレースをして、浅田さんが刀根さんの足をひいて骨折させてしまい、母親と一緒に謝りにいったこともあったのだとか。浅田さんが写真に興味を持つようになった初めの頃には、よく被写体になってもらったこともありました。夜にいきなり呼び出して、犬の尿が染みついた電信柱のそばに無理に座ってもらう…なんてこともあったそうで、いまでは笑い話になっています。
そんな「刀根菓子館」が101年目を迎えるにあたってリニューアルをすることになった際、建物の壁にある横幅170センチの大きなライトボックスに飾る写真を撮ってほしい、という依頼があり、浅田さんは喜んで引き受けました。何度も打ち合わせを繰り返した末に、梅の和菓子やロールケーキ、どらやきなどお店自慢の商品を並べて写真を撮りました。仕上がりにはとても満足できたそうで、これからたくさんのお客さんに見てもらえると思うと楽しみが膨らみました。そして何より、子どもの頃からの幼馴染と一緒になってものづくりをおこなうことができたということが大きな喜びで、集中したよい時間を過ごすことができました。
「刀根菓子館」の心構えである「店舗を増やさず目の届く所でお菓子を作る」という言葉にとても共感した浅田さん。これからも同じ場所・同じ時代で生まれ育った者同士、お互いに成長していけたいと締めくくりました。
【八戸のお祭り撮影を通して、人間の幸せを考えた】
みちのく五大雪まつりの一つに青森県八戸市の「えんぶり」というお祭りがあります。2月下旬にあるお祭りなのですが、浅田さんは撮影のために特別に舞を見せてもらいました。「えんぶり」を簡単に説明すると、烏帽子という被り物を頭にした「太夫」と呼ばれる男性たちが中心となって、親方、舞手など15~30人で構成されています。
ご高齢の方から小さなお子さんまで、男女問わず参加し、服装は人それぞれ異なるものの、全員がワラジを履いています。800年以上続いている祭りで、年初めに豊年豊作を祈る民俗芸能ということで国の重要無形民俗文化財にも指定されています。
浅田さんにとって祭りといえば、夏場に大勢の人々が集まって、太鼓や笛を鳴らしながら陽気に楽しそうに盛り上がる…といったイメージでした。しかし、「えんぶり」は冬の祭りで、唄のトーンも低く静かで厳かなムード。雪で白く輝く庭で、かがり火の明かりで見た舞に浅田さんは一目惚れしてしまったといいます。子どものえびす舞や大黒舞もとても可愛く、優雅なしぐさで魅力的、なんと言っても太夫の舞が力強くて最高だったそうです。
八戸市は冬の寒さが厳しく、何度も凶作に見舞われてきた町です。当時の農民たちは、豊作への切実な思いを、この「えんぶり」に込めてきました。今の生活は裕福にはなったと思いますが、その思いを受け継いでいる姿に、浅田さんは人間の幸せの根源のようなものを感じたといいます。
【さいごに】
日本写真映像専門学校と宗澤政宏氏は、これからも素晴らしい写真家を輩出し続けることでしょう。