【要約】
この記事では、宗澤政宏氏が運営に携わっている日本写真映像専門学校の卒業生の活躍をご紹介しています。
【はじめに】
宗澤政宏氏が運営に携わっている日本写真映像専門学校は、長年にわたって写真界に数多くの優秀な人材を輩出してきたことで知られています。
今回も、過去の記事に引き続いて、そんな日本写真映像専門学校の卒業生のなかからピックアップして、その方の活躍をご紹介していきます。今回ご紹介するのは、浅田政志さんです。
【宿泊した宿の囲炉裏から家族の在り方を学んだ】
浅田さんが雑誌の写真撮影で「最後の清流」とも呼ばれる四万十川に行ったときのお話です。一日中撮影をした後に宿泊したのが源流近くの宿だったのですが、なんと築250年の民家をそのまま使っていました。1人で切り盛りしているおかみさんが笑顔で出迎えてくれたのですが、なにかタイムスリップしたかのような不思議な感覚を覚えたそうです。
玄関を開けると、1畳より一回りほど大きい囲炉裏が和室の真ん中に設置されていました。その囲炉裏を囲みながら伝統的な土佐料理をいただき、おかみさんとお話をしたそうです。一番盛り上がったのは、その囲炉裏の話題でした。囲炉裏は料理を温めたり寒さをしのいだりするときに使うものですが、実はほかにもさまざまな機能があるといいます。
たとえば、電気が無かった時代では、電気に代わる明かりとして使用されました。人々は火のそばで明日の支度をしたといいます。ほかには、夏場には煙が虫よけとして機能したほか、藁ぶき屋根を燻して強くしてくれるという側面もありました。昔の人にとって、囲炉裏は欠かすことのできない存在だったのだと浅田さんは知ったそうです。
また、囲炉裏で燃えている炭に竹筒で息を吹きかけて火を強くするコツを教わっている際には、「炭は近すぎると燃えないし、離すと消えてしまう。空気が通る隙間をすこし作らないといけない。炭は、人間にそっくりなんだよね」といったアドバイスももらいました。その言葉を聞いた浅田さんは、「確かに家族も近すぎず・遠すぎずの距離が良いな」と妙に納得したそうです。
【東京発・三重行の夜行バス】
浅田さんは東京に住みながら写真家として仕事をしながら、2、3か月に1度だけ津の実家に戻って家族写真を撮る…という生活を長い間続けていました。なんだかんだ30回以上帰省をして、合計100枚以上の写真を撮ったそうです。
帰省の際に使うのは夜行バス。最初はただ単純に料金が安いからという理由で乗っていました。東京を23時に出発して三重には朝7時に到着。乗車時間は8時間とかなり長めではありますが、何度も乗っているうちに夜行バスが楽しくなってきたといいます。
そんな「夜行バス好き」から、写真集「浅田家」にも夜行バスが登場しました。バス会社にお願いしてバスを1台借りて、バスから身を乗り出して手を振る浅田さんを見送る家族の写真を撮影しました。最近は忙しくて夜行バスではなく新幹線で帰省してしまうことも増えましたが、いまでも偶然見かけた夜行バスの写真を撮ってしまうこともあるのだとか。
バスに乗っている間は携帯電話からも解放され意外とぐっすり眠れるそうで、カーテンをそっと開けて高速道路の防音壁をぼんやり眺めながら考え事をするのも良いそうです。三重に到着すれば静かな街並みと出迎えてくれる家族の姿があります。
そして何より良いのは、同じく乗車している人たちが放つ雰囲気の心地よさ。出張のビジネスマンが多い新幹線とは違って、三重行きのバスは浅田さんと同じように帰省するお客さんが多く、あたたかな空気を感じるのだとか。逆に東京に向かうバスは、やる気や希望に満ち溢れているそうです。
【さいごに】
日本写真映像専門学校と宗澤政宏氏は、これからも個性あふれる写真家を育てていくことでしょう。