宗澤政宏がお届けする、社会貢献に関する紹介

日本写真映像専門学校を卒業した人々㉜

【要約】

この記事では、宗澤政宏氏が運営に携わっている日本写真映像専門学校の卒業生の活躍をご紹介しています。

 

【はじめに】

宗澤政宏氏が運営に携わっている日本写真映像専門学校は、長年にわたって写真界に数多くの優秀な人材を輩出してきたことで知られています。

今回も、過去の記事に引き続いて、そんな日本写真映像専門学校の卒業生のなかからピックアップして、その方の活躍をご紹介していきます。今回ご紹介するのは、梅佳代さんです。

 

【久しぶりとなる写真集「白い犬」を発売する梅佳代さん】

はじめての写真集「うめめ」から10年。久しぶりの作品となる「白い犬」は、能登の自然の中でのびのびと暮らす愛犬リョウの姿が映し出されています。

 

梅さんの代表作である「男子」。

小学生の男子を撮影した作品であり、撮影時にはコミュニケーションをとりながら、男子の面白い表情などを引き出しました。

しかし、動物を撮るときには、言葉をかけて会話することはできません。

 

リョウを撮る時には、声をかけたりすることはせず、「うめめ」のときのように、偶発的に遭遇するおもしろさ・可愛さをシャッターに収めていきました。

「一緒に暮らしてなかったから、どこか客観的に見る目があったのかも」と振り返ります。リョウは梅さんの家族としての可愛さよりも、目の前にいる「白い犬」のありのままの姿を写そうと意識したといい、そのため、この写真集はありがちなペットの写真集という仕上がりにはなっていませんが、逆に犬を飼っている人にとってはリアルに感じられる部分も多いのではと語ります。

 

梅さんがリョウに直接触れたのは30歳ぐらいのとき。最初は棒や枝で触っていたのだとか。リョウが梅さんの家族になったのが18歳のころだったのを考えると、ずいぶん時間がかかっています。

 

あるとき、家に梅さんしかおらず、リョウを散歩に連れて行かなければならないときがありました。家ではオシッコを我慢してしまうので、どうしても外に連れて行かなければなりません。そのため、なんとか直接触らずにリョウに首輪をはめようとしたところ、散歩にいけることが嬉しく興奮したリョウは大騒ぎ。

「大丈夫、落ち着けばすべてがうまくいくから」「私こんな怖いのに頑張っとるやろ!」と悪戦苦闘しつつも、最終的には勢いで触ることができたといい、そこから徐々にリョウに触れるようになっていきました。

 

のびのびと生活していたリョウの写真の数々ですが、写真集のあとがきには「リョウが終わった」との文言が。

「山に行って死んだんです、多分。」

リョウはある日突然姿を消してしまったのです。梅さんたちは必死で探しましたが、結局見つけることは出来ませんでした。リョウは16歳を過ぎていました。

最後の頃はずいぶん静かで、梅さんが帰宅しても飛びかかってくるようなことは無く、外に出かけても遊ばずに戻ってくるようになっていました。猫はよく死期を察すると姿を消すといいますが、リョウも自分の最後の姿を家族に見られたくなかったのかもしれない、といいます。

 

いままでリョウは梅さんの作品に脇役的な存在として時々登場していました。

梅さん的にも、そういう感じで良いと思っていたそうですが、久しく写真集を出版しておらず、そろそろ何かを作ろうと思い立ったときに、リョウのことを思い出し、リョウの写真集を作ることになりました。

 

リョウは突然姿を消してしまったため、梅さんにはリョウが死んだという実感はありませんでした。しかし、写真集を作ることで、ようやく「リョウが終わった」と感じたそうです。

 

【最後に】

この写真集発売を機に、ますます活躍が期待される梅さん。梅さんのような写真家を、宗澤政宏氏と日本写真映像専門学校はこれからも育成していくことでしょう。