【要約】
この記事では、宗澤政宏氏が運営に携わっている日本写真映像専門学校の卒業生の活躍をご紹介しています。
【はじめに】
宗澤政宏氏が運営に携わっている日本写真映像専門学校は、長年にわたって写真界に数多くの優秀な人材を輩出してきたことで知られています。
今回も、過去の記事に引き続いて、そんな日本写真映像専門学校の卒業生のなかからピックアップして、その方の活躍をご紹介していきます。今回ご紹介するのは、浅田政志さんです。
【中学校で写真洗浄ボランティアの指導をおこなった】
東日本大震災による津波によって、泥まみれに汚れてしまった写真やアルバムを洗浄するボランティアに携わった浅田さん。2011年5月には、三重県津市にある中学校で写真を洗浄するボランティア活動がおこなわれました。
被災地から離れた三重県でおこなわれたのは、東北ではまだ被害が残っており、洗浄に必要な水が十分に確保できないという理由からでした。
そのため、岩手県で復興支援を続けていたボランティア支援センターから写真を預かって、三重県に運んできたのです。中学校の生徒たちは、被災地の方々にとって思い出の詰まった写真をキレイにして返したいという思いから、丁寧に作業をおこなったそうです。
三重県に運ばれた品々のなかには、写真だけでなく卒業証書や通知表といったものも含まれており、2トントラックいっぱいになるほどの量でした。
トラックで三重県まで運んだのも、ボランティアで活動していたトラック運送業者で、走行距離は700キロもありましたが、有志に声をかけて活動をおこない、洗浄を経てきれいになった写真は順次被災地に送り返していきました。
浅田さんはこの中学校の卒業生であり、写真洗浄の指導をおこないました。浅田さん自身、震災直後に東北に入り、岩手県で物資仕分けのボランティアなどに従事していました。
現地でも写真洗浄のボランティアをおこなっていましたが、あるとき写真を洗っている男女を見かけて手伝った浅田さんは、写真の価値を改めて認識したといいます。写真の価値とは、「過去を記録した人生の宝物である」ということでした。
浅田さんは中学校の生徒たちに指導をおこないましたが、生徒たちは結婚式や家族旅行の様子を記録した写真の数々を一枚ずつめくり、汚れを落としては水で洗い、水気をふき取る…という作業を繰り返しました。
一日で500枚もの洗浄を終えた生徒たちからは、「思い出の写真が無くなるのは悲しいこと。洗浄をおこなうことで手元に戻り、ひとりでも多くの人に喜んでほしい」という思いになったそうです。
【小学校で写真の授業をおこなった】
テレビ番組の収録で、浅田さんの母校である小学校に訪問する機会がありました。
小学校では、普段の授業では扱わないテーマを教えてほしいということで、浅田さんは写真について教えることになりました。
写真について小学生に教えるというのは簡単なことではありませんし、そもそも浅田さんは先生が本業ではないので、とても戸惑ったといいます。
授業当日では、浅田さんは生徒たちに写真に関するお話をしたうえで、実際に生徒たちに写真を撮ってもらうことにしました。
ただ単に写真を撮るという訳ではなく、写真の内容をディレクションしなければならないという課題なので、普段写真を撮らない小学生たちにとっては大変な作業になりました。しかし、生徒たちが一生懸命写真を撮ったおかげで、作品はとても素晴らしいものに仕上がったといい、浅田さんは一枚一枚を見るうちに思わず涙がこぼれてしまったといいます。
特別授業が終わってしばらくして、生徒たちは小学校を卒業していきました。生徒たちに卒業式の様子を尋ねると、「担任の先生が泣いていた」と無邪気に答えてくれました。浅田さんは特別授業のわずかな時間を過ごしただけで泣いてしまった訳ですから、先生が涙を流してしまうのも分かるなぁと思ったそうです。
【さいごに】
日本写真映像専門学校と宗澤政宏氏はこれからも素敵な写真家を育てていくことでしょう。